赤星建築都市設計研究所は熊本を起点に住宅・店舗・リフォームから各種建築施設や街づくりまで広く設計デザインしています

徳 永 酒 店 熊本駅白川口前


徳永酒店は、熊本駅白川口前に古くからあり、現在進行中の駅前再開発の道路拡張に伴い新築された徳永酒店ビルの1・2階にリニューアルオープンしました。この辺りの物販店が激減する状況下にあって、駅前商店街再生の起点になっていくことでしょう。

 

1階は、球磨焼酎をメインに和酒を中心にディスプレイし、中央に角打ち出来るカウンターがあります。2階は、厨房とワインセラーを設け、ワインを中心に各種洋酒をディスプレイしてあります。ここは、人が集えるスペースになっており、パーティやイベントが開かれています。



(資)徳永商店
   熊本市春日2丁目3-24
   TEL 096-352-4591



ビル本体工事は、施主の知り合いの建設会社に頼まれましたが、なにも特徴のないビルの計画でした。そこで、予算をかけずに大きく2つの点をお願いしました。一つは、なるべく外部から内部が見えるように道路側のバルコニーの手すりをコンクリートからポリカーボネイト透明にお願いしました。

またもう一つは、屋外階段部分にグレー地に黒いボーダーを入れ階数を表すアクセントを入れて頂きました。さらに1.2階は、サインやライティングを外部に見せ、道路越しの熊本駅前から交通機関の待合の人たちからも見つけやすい店舗になるよう配慮しています。特に陶板のサイン下には、プランタースペースを設け、球磨焼酎の原料の稲や季節に応じたディスプレイが出来るように計画しました。



外部の看板は、店主徳永さんの同級生が経営されている窯元天草丸尾焼で作られています。

また、ロゴはやはり徳永さんの友人でよく来熊される日比野克彦氏によりデザインされています。

日比野氏のロゴと陶板が、ベストマッチしており、さらに日が暮れるとライトアップされ、熊本駅前の来訪者に全国区のインパクトを与えてお店に導いてくれます。

 



1階の店舗では、熊本の「球磨焼酎」をメインとし、入口両脇と奥のディスプレイに人吉の棚田をイメージして作った木製棚にお酒を陳列しています。仕上げでは、床はタイルとカラーセメントで土間をイメージし、来店者が立ち止まるところに丸尾焼の陶板球をちりばめ埋め込みました。

壁天井は、パテしごきの上ベージュ色で塗装し、調光付きの間接照明で時間と共に明るさを調整できるようにして全体的に人吉の酒蔵の雰囲気を演出しています。

中央のカウンターは、球磨焼酎の原料である米を模った楕円形状をしています。この中央カウンターでは、将来店主を囲んで焼酎の試飲や昔ながらの角打ちが出来るよう計画しています。




人吉の棚田をイメージしたディスプレイのデザイン図1階の人吉の棚田をイメージしたディスプレイは、壁を地図に見立てて、球磨焼酎28蔵元の場所を右上から左下へ球磨川の流れに沿って抽象的に表現しています。

また、このコンセプト図は、球磨焼酎28蔵元の主力銘柄のラベルを地図上に置き換えて、その棚の場所に各蔵元の焼酎が置かれています。



2階のホールでは、調光付き間接照明を多用した光の空間となっており、各種パーティやイベントの雰囲気に合わせた空間を提供できるように計画しています。

仕上げに床はフレンチパインの無垢材を使ったり、壁天井はパテしごきの上薄いピンク色で塗装し古民家風に表現したり、その壁沿いにワインを中心に各種洋酒を木製棚にディスプレイして1階とは違ったヨーロッパの酒造庫イメージで創り込みました。奥に厨房とワインセラーを設け、幅広くパーティやイベントが開かれ、人が楽しく集えるような空間に演出しています。





2階の洗面トイレは、全く別世界を創っています。外部看板と同じように天草の丸尾焼金沢夫妻のデザインで製作されたカウンターと洗面器が置かれていますが、金沢夫妻の勧めで紅白のデザインとなりました。

それを受けて、床壁にも赤の陶板を埋め込み、補色気味の黄緑色で塗装し、来店者に非日常の強い印象を与えています。







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